I don’t forget it.

作者*桃実*

 


―もうあれから8年経つよ。


 

そっちの様子はどうですか。


元気にやっていますか。


ひいじいちゃんと、ひいばあちゃんには会えましたか。


 


みんなのこと、ちゃんと見守ってくれていますか。


 


あの時、私達家族は「死」の意味を痛いほど刻み付けられました。


あの時、私達兄弟は「父の存在」の大切さを痛いほど知らされました。


あの時、私は「涙が枯れる」感覚を始めて覚えました。



 

でも、今思えば悲しいことだけじゃなかったのかもしれないね。


 

 

息子を失ったおばあちゃん、おじいちゃんも、


愛する夫を早くに亡くしたお母さんも、


高校生にもならないまま父がいなくなった私達兄弟も、


今はちゃんと笑顔で暮らしてます。


 

お父さんは笑顔でいられているかなぁ…