偽者の愛だとか、本当の愛だとか。そんなのどうでもいい。俺はただ彼女を愛してる。
彼女の笑顔は、一時の防衛手段に過ぎない。
彼女の優しさは、遠い過去への罪滅ぼし。
本当の愛だとか、偽りの愛だとか。
そんなものは、実際のところ
見分けもつかないものだと、思っていた。
姿も形もないものなのだから。
なのに
それでも俺は分かった。
分かって、しまった。
嘘だ、なんだと、責めるつもりも、
怒るつもりも毛頭ない。
ただ見たい。
本当の笑顔、心の底から笑う、彼女の姿を。