「いじめはなくならないさ。人間は生まれて、自我に目覚めて、周りと自分との間に優劣をつけるようになった時点で、それははじまる。」
30から40くらいにみえるだろうか、目の細い男ががつぶやいた。皮肉たっぷりの顔で。
「相変わらずだな。ならばなぜ私の誘いを受けてくれたんだい?」
こちらも同じくらいの歳だが、いい年のとりかたをしたのだろう、イケメンだ。
「なーに、ただの暇つぶしだ。忙しかった研究がひと段落ついたのでね。それに…」
「それに?」
細目は少しためらったが
「お前は俺が認める唯一の研究者だ。他の奴らとは違う。いい感じにいかれてる。」
彼なりの褒め言葉なのだろう
「そりゃどうも。さて、さっそくはじめるか!」
「本当に、変えられるんだな?この世界を」
細目が確認する
「ああ、子供たちの未来を 俺たちが変えよう。」