汚れた翼

作者愛菜


―汚れている―。


何度も何度も

声にならない声で

呟いていたね。


天を仰いで

涙を溢さないように

必死で上を見上げていた


夜空を見つめる横顔は

人の痛みを見ないフリする

世の中の人間より

よっぽど綺麗だったよ。



…そうあたしが

伝えるべきだったのかな?



いつも自分を

責めていたよね。


どんなに痛かったんだろう…