人間を信じることができず、他人を拒絶しながら生きてきた雪乃(ユキノ)。夢を追い続ける暖(ダン)。正反対の二人が出会うとき、二人を取り巻く風がゆっくりと動き出す。
私の世界は無風。
世界は色を失い
空気は動くことをやめてしまった。
そんな私の世界に
暖かい、春の風が迷い込んできた。
空気が、動いた……―。