昔「人間」という存在がまだ無い頃の話…
人は男女に区別はなかった一体の体の半分は女性体、もう半分は男性体…それでひとつ…完全体
神様が作った体…
あまりにも神に酷似しすぎて、近付きすぎて、神の怒りに触れた…
嵐が起こり、黒雲が頭上を覆い、稲妻がナイフの様に地上に降り注がれた。
ひとつだった体は引き裂かれ、二つに分れた
何日も続く大嵐…片割れを息付く間もなく離れさせるために…
すぐに戻れない様に…
産声は呼び掛け、アナタを探す為の第一声…
両方ある五指の指は、束縛、もうアナタと離れない為の…
その先にある爪はアナタを探し回って固くなった皮膚
私の半身、世界にたった一人だけ…アナタに巡り逢う為の…