リクの車から降りて家まで帰る時。
寂しくて、帰りたくなくて、できる限り車を降りるのを焦らした。
でも帰らなきゃいけなくて、そんな未成年で自分一人じゃ生きていけない自分に苛立つ。
リクの車が去ってから歩き出すあの道。
寂しさを紛らわす為にいつも空を見上げていたよ。
そこには変わらず毎日月が煌めいていた。
その淡い光は思いのほか心強かった。
悲しい時は月の下で涙し、嬉しい時は月の下で笑った。
そんな私をいつも見守っていてくれた月。
月が放つ光の雫を感じながら、私は一生懸命恋をした。
全力で、恋をしました。