彼女の世界にはただ、『色』がごっそりと、抜け落ちてしまっていたのだ。

死ぬわけでもない。好きなものを食べれるし、やりたいこともできる。

そう考えれば、彼女は決して不幸ではないはずだ。

でも、彼女は病気だった。

進むことも治ることもない病気。

ただ、色が、わからないのだ。


───ソラは今でも、青いままですか。