瑠愛
情熱的な恋から、穏やかな愛へ
再会し、心を寄せ合い、甘い同棲生活を送る陽介とさく。
だけど突然、さくの誕生日の翌朝いなくなってしまう…
初めはドキドキするような甘い描写と2人の馴れ初めが描かれていましたが
なぜだか、そんな甘い表現の中に胸が苦しくなるような切なさを感じました。
あまりに激しく求めあい、ひとときも離れたくないほどに
お互いを恋しあう2人
それに対して戸惑い、自分を探す旅にでた陽介と
そんな陽介が許せないでいるさく
激しい恋が生んだ、2人の距離
それはきっと、恋をどう自分の中に受け入れるか、という命題に対する男女の思いの差なのかもしれないと、思いました。
やがて帰ってきた陽介とさくが再会するシーンは、ジーンと心に沁みました。
きっと、距離をおいたことで、2人の恋が、穏やかな愛へと変わっていったのだろうと思いました。
恋に対する向きあい方の男女差がリアルに描かれ
ハッとさせられるけれど、心があたたまる素敵な大人の恋愛小説でした。