チャル
大人の世界観
登場する人物一人ひとりが今自分のまわりでなにが起きつつあるかわかって
いるのに、騒いだりあわてたりしないで淡々と成り行きを見守っているとい
うのは、同じ年代では考えられません。
読んでいるあいだずっと、冷たくてするどい緊張感を肌にぴたりと当てられ
ているように感じました。
これからのストーリーを想像させるラストのシーンは、長く暗い、じっとり
した雨の季節がはじまる場面でしたので、主人公をとりまく人間関係も同じ
ようなじっとりしたものになるのでしょうか。
それとも、このまま淡々と・・・
普段の世界観から離れ、奥深く想像をめぐらせたくなる作品です。