恋、愛、引っくるめて恋愛。
何それ。美味しいの?
そんな安っぽい気の迷いなんかに振り回されるほど私は馬鹿じゃない。
はずだった…
「好きだ。羽鳥のこと」
「…ん?(誰だコイツ)」
「ははっ、冗談」
「嫌、冗談以前に誰だよお前」
「……え」
名前すら把握していないクラスメイト。
ほうける私に固まる目の前の男子。
夏休み開け、突然の告白だった。
「…やっぱ取り消し。冗談じゃなくてマジに羽鳥が好きだ」
「ちょ、触んな。マジ死んで!」
何も知らなかったんだ。
私を「好き」だと言う
そんな物好きな彼の異名は
"ジョーカー"。