昔、雪には色がありませんでした。


ちょうど雨や風のように。


雪は色がほしくてたまりませんでした。


雪は色々な花のところへ行ってこうお願いしました。


「どうかあなたの色を私に分けてください・・・」と。


しかし、どの花も冷たく寒い雪が近づくのを嫌って色を分けてくれません。


「私の色でよければ分けてあげるわ・・・・」途方にくれている雪に誰かが声をかけました。


その小さな声の主はスノードロップでした。


雪は喜んで雫のような形をした真っ白なその花に近づきました。


スノードロップは雪に寄り添うと自分の色を分けてあげました。


その時から雪の色は真っ白になったということです。


 雪が地面を覆い尽くす冬の季節、スノードロップだけが雪に優しく抱かれて美しく咲きます。


それはまるで寄り添いあう恋人同士のように・・・・