赤池秀也

リンクする失恋短編集
ジャンル問わず結末に求めるのは、
分かりやすいオチがあり、はい、ハッピーエンドでスッキリ…、
そんな事を求めがちです。
この作品は、そうではない。
暖かいもの、優しい余韻を残して一つの話が終わる。その先に続く情景を読者それぞれに想像させる…が、後味は悪くない。
切なくて優しくて、一度ハマるとクセになる…
そんな作品です。

軸となる舞台があり、
その軸が回転するようにいくつもの失恋がある。

登場人物の位置が面白く素晴らしく、
それぞれの違う話の中で登場人物がリンクするのが面白い。

僕は翔太が好きでした。

一礼して走っていった。
この一行が印象的でした。