この物語は、実際に経験したことをモチーフにしている。その核となるものは、愛を中心に、その核心に迫ろうとするのである。人間の根源的なテーマのひとつである愛。愛こそ、最も身近であり、深遠な絆、人間であるからこそなくてはならないもの、それが愛である。
その愛とは気づかずに、何気ない日常を漫然と過ごしてしまった結果、神様に奇跡が起きることを祈ることしかできなかった若き日の男が成長する様を描いた物語である。
奇跡は、決して起こらない。最善を尽くしそのための準備を自ら作り出し、そこにチャンスという名の幸運が巡って来るという以外には。