優しさの裏側

作者麿野

お前を俺から追い出せば


少し心が軽くなるのを知っていた




大好きな人が傷つくって言うのは


こういう事なんだなって





自分の汚い手のひら






「見えないように握った」







一番大事な事から逸らし続けた眼


もう二度とそんな事しないように








「瞼を下ろした」







知ってるようで


気付いてあげられていなかった





俺だけが 人の言葉に傷ついて


俺だけが 優しい言葉に泣いて


俺だけが 転んだ時に痛くて







ずっと俺だけが 





全てを感じてるんだと思ってた 


でも 今


全てを思い出したんだ












お前も











生きてたんだよな