ミュリア・ローデル伯爵令嬢は、天性の可愛らしさと父母から盲目的に溺愛されていることを良いことに、異母姉エルミナの婚約者を次々と奪いまくっては捨てている性悪令嬢である。しかしそれはフリで、実態は姉の意に沿っていない上にクズ揃いな男との婚約を身を張って潰している極度のシスコンだった。この世で一番素敵で大好きな姉には、真に好き合っている従者と結婚してほしい。そう切望するミュリアだったが現実は難しく、伯爵夫人は次々と碌でもない縁談を持ち込んでくるのだった。そんなある日、女好きと有名な第二王子・アルバート殿下が姉に好意を見せてくる。これはまずい、意地でも姉から意識を逸らさねばと全力で殿下を誘惑したミュリア。その甲斐あってか彼が姉にアプローチすることは阻止できたのだが。「お前、俺と同類だろ?」何と彼は兄が興味を持った(と彼自身が判断した)女性に粉をかけて、その貞操観念や教養から兄に相応しいかを調査している極度のブラコンだった!? その後兄姉に共通の敵が現れたことで、二人は協力して動くことになる。自分の幸せなど二の次の二人だったが、似た思考の相手と共にいることで少しずつ心に変化が生じていく――。
キャラクター・プロット
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