『異世界転生したらドラゴンになった』という小説が流行っている。
これは、主人公の男性が突然トラックに轢かれて死亡し、神様によって新しい人生としてドラゴニュートに生まれ変わるという物語である。
そして主人公は、自分が生まれ変わってしまった世界が、前世でプレイしていたゲームの世界だということを知るのだ。
そのゲームの舞台は中世ヨーロッパ風の剣と魔法のファンタジー世界で、主人公が今いる場所は王都アルストゥルの郊外にある森の奥深くだ。
この森は、主人公が生まれ育った村の近くにあり、幼い頃から遊び場としていた場所なのだ。
主人公の名前は「エルム」といい、年齢は18歳。
身長178センチ。
黒髪に黒い瞳を持つ美丈夫で、容姿端麗、頭脳明晰という完璧超人であり、女性からは絶大な人気を誇る。
そんな彼の職業は、冒険者のランクで言うところのAクラス相当の実力を持っているのだが、実は彼は元日本生まれの米津亮で、30歳のサラリーマンであった。