高校三年生。
クラス全員が大学受験一色に染まる中、奥村竜は皆と違う一つの目標を持っていた。
それは料理人になる事。
竜の祖父「竜太」は、名料理長として名を馳せ、まだ造成が始まって間も無い新興住宅地に一軒の店を妻と二人で開いた。
「ヴァン・テ・アン」
飲食業は場所が全てと言われる中、ヴァン・テ・アンは、味とそのサービスで繁盛し続けた。
しかし名料理人奥村竜太が他界し、二代目を任された鈴木雅也がヴァン・テ・アンを出て行き、近くに「レストランM&M」を開店すると、客はそちらに流れた。
竜は、その鈴木雅也の実子である。
雅也は奥村竜太がシェフの時代セカンドとして彼を支えた。
そして竜太の一人娘里香子と結婚し婿養子となった。
しかし、結局一人息子の竜と、その母親、妻である里香子を捨てた。
竜と里香子の二人っきりの生活が始まった。
愛する母の苦労する姿を、竜はその小さな瞳でずっと見続けた。
いつしか竜の目標は、母里香子を守る事、母里香子の恨みを晴らすことになった。
M&Mの前に自分の店を開き、母が飲まされた煮え湯を父雅也に飲ませる。
ある日竜は登下校の際気になっていた一軒の小さなビストロ「ヴァントユイット」に求人募集の張り紙を見つける。
自分の目的を達成するために、料理人修業しなくてはならない。
しかし、母に頼んで調理師学校の授業料を出してもらう事はしたくない。
第一、母里香子は、竜が料理人になる事を頑なに反対し続けているのだ。
竜はアルバイトに応募するため、担任の坂口に親からの同意書を偽造してもらう。
その作戦が巧く行き、竜は無事ヴァントユイットで皿洗いと調理補助をし始める。
竜の活躍でヴァントユイットの経営が上向くと店主の田村は、竜ともっと大きな店をやろうと計画する。
奇しくも場所は田村が料理人を目指すきっかけとなった宮前平ヴァン・テ・アンの側・・・。
ヴァン・テ・アンがかつて自分の家であったことも、祖父が田村の尊敬する名料理人であったことも隠している竜は余りの偶然に驚く。
そして、もうとっくに解体されていると思っていた、ヴァン・テ・アンがひっそりとマンションの裏に存在していた事を知る。
竜は、ボロボロになっていた我が家、祖父の店、母の店ヴァン・テ・アンの再生を目論む。
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