蕪木萌(かぶらぎもえ)、深澤深月(ふかざわみつき)、藤代海青(ふじしろみお)、小鳥遊櫟(たかなしいちい)は築十年の木造一軒家を借り、四人で住んでいる。
元々の接点があったのなんて同じ会社で働いている深月と海青くらいではあったが、成人した大人四人での同居は想像よりもずっと早い形で纏まった。
彼らの願いはただひとつ、恋人と穏やかな生活を送りたかったから。同じ部屋で寝食を共にし、酸いも甘いも共有したかったから。そんな些細な願いのために、彼らは四人での生活を決めた。
萌は深月と、海青は櫟と付き合っている。
同性と恋人関係にある四人にとって、この同居は互いに良い点も多々存在しているのだ。