観察者でもあった彼ら、超生命体達は、彼らの観察対象である一個の下等生物の意識世界を全開させた。
隊商が黄金都市を訪れようとしていた。長い砂漠の道のりで、さしものサイボーグ=一フクダも疲弊しているようだった。その上に乗っている人々はそれ以上のようだ。 目の前に吹き荒れる砂嵐を通して、かろうじて、彫刻が施された金色の城壁が見えてきている。目ざす都市一ラグーン市なのだ。 このあたりの砂漠地帯のオアシス。このミューダ砂漠の富と財宝を集めている都市なのだ。 黄金の壁の一部が外側へ開き、ねずみに似た形のヴィーグルが出現した。 隊商を迎えるためだろうか。砂漠を越え、ようやくこのラグーン市へ辿り着いた人々は手を振った。 が。それに応えたのはヴィーグルの目玉の部分から発射された機関銃のスタッカート音だった。 機銃弾は人々の体を貫き、さらにはサイボーグ=ラクダの体をパラパラに吹き飛ばした。 静寂が訪れた。しはらくしてヴィーグルの(。チから一人の男が出てきた。ヴ4Iグル
の後部へソリを着けた格納車の中へ総ての残滓をヴィーグルのマニュピュレーターを使い、格納車にほおり込み、都市の中へ引きずり込んでいく。何回もこの作業をくり返し、後に
何も残らなかった。最後には壁がヴィーグルを呑み込み、‘何もおこらなかったのごとく、
砂が動いていた。
この一部始終を私クリスは上空500mから消音へリコプターでモニターカメラを通じ、観察して
いた。
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