「この世界で最も愚かな我々に、一泡吹かせてやらないか」
マリファナの樹【完】/今嶌ろね
学術誌に記載され、現在対症療法のみで治療法が確立されていない希少疾患“花餌”。罹患後全身に見られる皮下出血の症状に加え、発症後1年〜5年の潜伏期間を経て宿主を栄養源として成長、死後には満開の花を咲かせることから人々の蔑視の対象ともなっている奇病に、恋人の桐子が罹患する。大学院で電子工学を専攻する青磁は同期の剣菱、研究者の浪河と共に彼女の“記録”に携わるが…
「この世で最も愚かな我々に、一泡吹かせてやらないか」。これは愚蒙な全人類に捧ぐ、“人間”の物語。