ケーキ台無し。ホモ先輩現る!
今日は夏休み最後の日だった。
フランスから帰って来た千夜くんはケーキを作りに古屋敷まで来てくれた。
嬉しかった。
私は多分、千夜くんの事が好きなんだと思う。
でも、千夜くんからは忠告されてるから、どう進めればいいか解らない。
じゃあ、どうしてケーキ作りに来てくれたの?
期待させるようなことしてるの千夜くんの方じゃない!って言いたくなる。
でも、この気持ちは心の中だけに留めておいた方がいいのかもしれない。
いざ、作ってくれた季節外れのブッシュドノエル。
千夜くんが生まれて初めて作ってくれたケーキを、よりにもよって、私が運ぶのを手つだう際、うっかり落としてしまった。
千夜くんは怒らなかった。
怒ってもケーキは元に戻らないことを達観してるからだろうか?
千夜くんの方が精神的には大人って気がする。
後、保の夕方の散歩と千夜くんの帰る時間が重なったので、途中まで一緒に出掛けた時。
佐藤先輩とかいう人と会った。
会って、別れてからも千夜くんの様子がおかしかった。
あんな千夜くん、初めて見た。
保の散歩コースである小さな公園のベンチで皆、しばらく黙っていたが、やがて、千夜くんが重い口を開いてくれた。
1度、犯されそうになって、殴って逃げた事。
2度目、鈴木くんを盾に、佐藤先輩が千夜くんを襲った事。
千夜くんは怯えて震えながら私にすがりついてきた。
千夜くんを2度と辱めに遭わせない為。
今度は私が千夜くんを守る番。
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