▶君を暴く
君が青に溶けて消えていく
お願いどうかこの手を
一目見た時から好きになった
柔らかく長い黒髪を靡かせ笑う君が好きだ
その笑顔を僕だけのモノにしたくて
君が欲しくて仕方なかった
大きな瞳の先に僕は居ない
いつだって君の世界はあいつだけ
その赤い唇で紡ぐ「大好き」も「愛してる」も
あいつだけの宝物
儚く息する君の手を掴んでもすり抜ける
分かってるよでも痛みは増すばかり
ねぇ こっち見てよ
忘れてしまいたい君を願えば願うほど
大きく膨らんでいく恋心
いっそ2人幸せを叩きつけてくれればいいのに
気付こうともしない君が堪らなく愛おしい
お願いどうかこのまま
笑顔が続きますように
君の知らない真実を知ってしまった
その枷に飲み込まれそうになりながら流れる日々
知ったらきっとその眩しい笑顔は陰っていく
同時に悪魔が僕に囁いた
無理矢理閉じ込めよう
今なら宝物に出来るよ
何も遠慮なんか要らない
だってあいつは居ないんだ
そんな事はしたくない
君の心が欲しいから僕だけを見て欲しい
それなのに悪魔に背中を押されて吐き出した時
君は無邪気に笑った
最初から全てを知っていた
上手に大事に隠していんだ
霧のように君は曇って僕の前から消えてしまった
今まで好きだった君は一体誰だった?
君の光も君の闇も全て君の一部なんだ
君の全部全部がやっぱり好きだ
心に刻みついた君を想えば想うほど
溢れて零れていく恋心
君が青に溶けて消えていく前に
お願いどうかこの手を取って
宝物を抱いたままでいい
何も言わなくていい
この手を取ってくれたらそれだけで
冷たく白いその手はしっかりと僕を握って
やっと目が合ったんだ
やっと君を暴けたんだ
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