戦国時代、
三河一向一揆があった年。

村の中央には
砂利道が、
まっすぐ続き、
両側には、
草木が生い茂る中。

毎日、毎日
田畑を耕しても、
暮らしは
一向に豊かにならず。

米は、
年貢で多くを没収されて、
手元に残るのは、
ごく少量、
たぶん
ギリギリ
生きていく分だけ。

何かに頼りたくて、

南無阿弥陀仏と、
仏に手を合わせる
(そんな)
農民が、
汚い衣類を着て、
一人、二人と
寺に出入りし、
唯一の住み家とするけど。

結局、
その地も、また
松平家康によって
取り上げられて、
寺は壊され、

何もない
野原へと、また
戻されていく。