人生の転機とは誰にいつ訪れるのか解らないものだ。
 彼女の場合もそう。
 勤めていた会社をクビになり、やけ酒に明け暮れた挙句に成り行きで男友達の目黒雨の家に住み込みの家政婦として働くことになった野宮菊子、二十四歳、彼氏無し。
 菊子が働く条件は、雨に恋をしない事、されない事。
 そんなの楽勝と思…