崩れゆく気泡は、透き通った恋心だった。

作者彰野くみか

過去の恋愛のトラウマから、もう恋はしないと心に誓った美月。

ある日、ひょんなことから立ち寄った喫茶店で
不思議な青年と出会う。

儚く優しげな彼に惹かれていく美月だが、
彼には秘密があって——!?

 ——照りつける太陽、嫌い。


 ——眩しい夏の太陽、嫌い。



「夏……」


 今年もまたらこの季節がやってくる。


 夏が。夏は嫌い。


 だって、「別れの夏」だから。


 だって、思い出すから……。


 ひと夏で終わった、辛い恋物語を——。