ひとつ屋根の下、どんなに突き放そうと彼は私を求めてくる。もう何年も、ずっと。「俺にしとけよ」 ───そんな簡単に言わないでよ。
「俺にしとけよ」
「もう少し大人になってからね」
君はあの時、どんな気持ちで
この言葉を口にしていたのだろう
「俺、大人になったよ」
四年ぶりに再会した彼は
あの頃よりずっと“男”になっていた
私はまだ、あなたに言えないことが多すぎる
「責任とれんの?」
「俺のこと信じて」
私達の関係は
甘いようでちょっと苦い
2020.07.17 完結
画像提供:眞山まゆ様