本編は勿論のこと、あとがきでまた、感涙にむせました。まるで、私に投げかけられたものなのではないかと錯覚してしまう数々の言葉。胸に強く響いて、離れず、聞こえるはずのない温かい声が脳裏にこびりついて、私を優しく包み込み、心の枷を外し、溶かしてくれた気がします。少し軽くなった身体と滲んだ視界のまま、読了後の今、コメントにお邪魔しています。
私が感想を述べるなどおこがましいと感じてしまうほど、この作品に全てのものが詰まっていて。示唆に富んでおり、何度も何度も共感させられ、同時に沢山のことを学べました。
『いつか手にするはずだった未来を、一度だけ。』
ここで、この言葉は狡い、そう思わずにはいられない切実な言葉や台詞たちで溢れていました。既に涙ぐんでいたところに、更に追い打ちをかけるように涙腺を崩壊させる。交錯する想いのどうにもならないズレが痛いくらい伝わってくる。シリアスではありましたが、現実味を帯びている中で見つけていく光を今の現状と照らし合わせ、それを目指そうと思える、明るいものでもありました。
離れて、失って、やっと気づく誰かの存在。失ってからは遅いのだと頭では理解していても。それでも、どうにもならない心の歪みがある。人は心と言葉を授かったからこそ、そういうマイナスな部分も勿論出てきてしまって。そんなどうしようもない世界で、真っすぐに、大事なものを守っていきたい、そう諦めず、もう一度思わせてくれる、励ましてくれる、勇気づけてくれる、そんな繊細なメッセージが込められていたような気がしています。
本作品に出会えたこと自体が奇跡だと思っています。私の気持ちを楽にさせてくれて、同時に、私に手を差し伸べ、その手を引き上げ、更には背中を押してくれている。感情が昂った今、安い言葉しか出てこなくて自分に嫌気がさしているのですが、彼らに、本当に本当に出会えて良かった、と感謝でいっぱいです。
第二の青春を見せてくださり、ありがとうございました。
天つ空と美しい空と、太陽、そして何より彼らの全てを包み込む陽射しの、これからの幸せを願っています。
何かに挫けそうになって、道が見えなくなってしまった時、また彼らに会いに来たいなと強く思っています。あらためまして、素敵な作品をありがとうございました