私が恋に落ちたのは・・・財布をスられたスリ男・・・!?でも彼には大きな秘密があって・・・ーーーたとえ貴方が誰を想おうと、私は貴方を愛します。
出会いは、それはとてもとても良いとはいえるものではありませんでした。
『君っ、掏られたよ!』
見知らぬおじさんの声に視線を前に向ければ、私の財布を持って走り出す、和装の男。
「あのっ!!その財布、82円しか入ってませんけど……大丈夫ですか?」
これは、変わり者の女と、変わり者の男の、恋のお話し。
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こちらは前作「恋狂い」を加筆修正したものになります。