物語全体のあらすじ
不運にも命を落とした女学生絵愛は、所持していた防犯グッズのみを持った状態で異世界に転生した。
降りついたのは強力なモンスターが蔓延る世界であったが、催涙スプレーやスタンガンを駆使し撃退に成功する。
勝手の違う世界に困惑するも、街を守る三騎士の一人、ゼタに衣食住の確保を手伝ってもらったり
催涙スプレーが底をつき命の危機に陥るが、黒騎士に救われたりなど、どうにか異世界生活を送っていく。
空気の魔法を習得し、スプレーの充填が行えるようになったエアはモンスターを倒し続けみるみる力をつけていき、
騎士の一角に数えられるようになっていく。
圧倒的な力を持つ騎士を煙たく感じている街人もおり、騎士同士の間には
言葉にはしないものの絆に近しい感情があった。
エアはぶっきら棒ながらも思いやりを持つ黒騎士に好印象を抱き始めていた。
街を離れ、小屋を建てひとりで暮らすことにしたエア。
魔力を押し固めて自立生命体を生み出し、身の回りの世話をさせていた。
ある日、封印されていた強力なモンスター、ゼバルが解き放たれたとの情報があり、
エアと黒騎士は共同で討伐をしに行くことに。
道中何故か会話もしない黒騎士に居心地の悪さを感じるエア。
二人になった際、黒騎士から自らがゼバルであると明かされる。
[魔王と同じスキルセット]を持つエアを生かしておくわけにはいかないと。
激しい戦いの末、辛勝したエア。
かつて人間同士で生じていた争いを抑えるために村を囲う目的で生み出されたもの、それがモンスターであるとゼバルは語る。
駆け付けた街人たちから、とどめを刺すよう求められる。
しかし手を出せないエアを見かね、ゼバルはエアの手を取り自らとどめを刺させるのであった。
しばらく時が経ち、町周辺のモンスターは新たに現れたモンスターによってほぼ狩りつくされていた。
倒されたモンスターの魔力はエアの元へと流れ、エアは恐ろしいほどの力を身に着けていた。
モンスターがいなくなったことにより、人間同士の争いの気配がし出した頃
ゼタの元にエアは現れ、魔王城に行くと言い残す。
魔王城のモンスターを悠々と打ち倒すエア。
ついに対面した魔王は自らがモンスターを生み出すようになった経緯を語る。
そして顔を上げ、エアに手を差し伸べた。
『エアちゃん、私と一緒に、魔王になりませんか?』
その顔を、エアのよく知る人物であった。
そして時は流れ、玉座にひざまずく青年に王は語りかける。
『おお、誇り高き勇者よ、必ずや恐ろしき”魔王エア”を討伐するのじゃ。』