◆あらすじ
私はうさぎが大好きです。
この実話を息子にしたとき、私がむせび泣くから、「僕がうさぎを飼うよ」と誓ってくれました。
私のうさぎへの想いといつも支えてくれたあなたとの本当の話です。

◆主な登場人物
いすみ 静江:語り、しずえ
佐祐(さすけ)さん:しずえの夫
息子



◆主なうさぎ…

物語全体のあらすじ


私はうさぎさんが大好きです。

一緒に暮らしていて、とても愛おしく思います。

お世話をしたり撫でたり遊んだりすると、癒されもします。


うさぎさんは寿命が約十年とも言われます。

事故にあったり病気もすれば天命を全うできないこともあります。

寿命まで生きてくれても悲しいのに、僅か数年の命のうさぎさんには殊更です。


私がこのお話を息子に読み聞かせたとき、むせび泣いたものだから、息子が気を遣ってくれました。

ママに、もう泣かないで欲しいと、読まなくてもいいと、うさぎさんを僕がまた飼うよと誓ってくれたのです。


さてその中のうさぎさん達の活躍です。

皆、仲良くいい子達でした。


妻のうさこちゃんは、犬に襲われて空に召されてしまいます。

私は大型犬に立ちはだかりましたが、守り切れませんでした。

哀しみは、夫のうさこちゃんが長生きしてくれたので、ゆるやかに払拭して行きます。


志朗しろうちゃんは、癌や皮膚病になってもまともな病院へ行けず、残念でした。

彼の喪失感は、婚約者の佐祐さすけさんが私を和ませてくれて、立ち直りの切っ掛けとなります。

ひろちゃんは、元気で穴掘りが得意な子で、九年も長生きしてくれました。

健康なのはいいことです。


佐祐さすけちゃんは、かなり懐いてくれました。

家の中をお散歩するのが大好きです。

そのお嫁にと、ひめちゃんをお迎えしたのですが、何と男の子だったのです。

おかま伝説を作ってくれて、私は苦笑するしかありません。


真意まいちゃんは、夫と同居を始めて子どもが望めないので寂しくて飼った女の子です。

新婚生活に初めてのうさぎさんを交えました。

私が離婚を自棄になって切り出しても、佐祐さんは決して受け入れません。

どんなことがあってもうさぎのお世話を忘れないのだから、根は優しくてしっかりしていると思うからと、売った喧嘩を買わないのです。


そして、遠方へ入院した日、私は全ての幸せから別れてしまいました。

夫とうさぎを置いて、いつの間にか白いベッドの上にいたのです。

院内の公衆電話で佐祐さんと通話をすると、うさぎは元気だから大丈夫と気遣ってくれます。

それよりも、貴方との時間を失った方が辛いのに。

その冬、佐祐さんが、私に会いに来てくれました。

結婚記念日を病院で迎えて寂しがっていると思われたのでしょうか。

私は、うさぎさんよりも愛しく思う方と出逢えて幸せです。


それから十年以上も経ち、子ども達と対面できたのです。

幸せな瞬間は、ここにもありました。



◆この作品は「もふ! うさうさクラブ」をシナリオ化したものです。

https://maho.jp/works/15591074771453277027