花が咲いたら恋に落ち、花が落ちたら愛が咲く。

作者行野 えふ

保健室で出会った彼女の背中には、花が咲いていた。

「葵くん、つらい時は私がなぐさめるから、いっぱい泣いてね。その代わり、私が泣いてるときは、ぎゅーって強く抱きしめて。約束だよ」

彼女は自分の背中を嫌っていた。



花で埋め尽くされたそこは、



いつも甘い香りを放っていて、





僕は誘い込まれるように、



彼女を愛した。





どうしようもないくらい、好きだった。