春は青いと決まっている

作者尾原 ジョウ

主人公、國枝きいとは元気な高校二年生、あと一カ月もたたないうちに三年生を迎える。父(祐ちゃんこと祐輔)は大学の教授で、家の事はもっぱら娘に頼り切り。そしてこの時期、最も忙しい、実家は昔から下宿屋をしていて、この辺じゃ隣のお寺と並んで古いので有名だ。
出ていった人たちの後を片付けて風邪をひき、そこか…

東京大学のおひざ元で長年下宿屋を営んできた壱國館。二年前に亡くなった祖母の後を引き継いだのは高校生になったばかりの主人公、国枝きいと。自分がここを継がなくてはいけないというプレッシャーとともに、やりたいことは、学生で亡くなるとできなくなるという思いから、今に青春のすべてをかける。

幼いころにくなった母との思いで、つながっているのは物語だけ、自分が今できることは空にいる母に向けての物語。

ただそこには自営業ということでいろんなことが覆いかぶさり、きいとの心は折れていき、自殺ミスをする。

壱國館の住人達に支えられ、何とかケガだけですむが、次々と課題は起きてくる。

そんな中でもけなげに、自分の夢をかなえようと、きいと、はアルバイトを始める。

最初は父親の再婚に自分はいらないものだと思っていたが、それが誤解だということがわかると小節のネタ探しのために父親に頭を下げるのだった。アルバイト先の店主の仕事改革をしたり、住人の男の子たちに責められたりと、忙しい毎日の中でも自分なりに頑張っていく高校三年生の姿を見ていただきたいと思います。