物語全体のあらすじ
地球ではない、とある惑星のお話。
その惑星の人々は一様に星を宿しており、「光力」という不思議な力を持っている。宿した星の光が強ければ強いほど、それに応じて「光力」と寿命が強く,長くなる。しかし、人のみに宿る「光力」を喰わんとする食人生物「光喰」に、常時、狙われているのである。
孤児であるハリルは、親代わりであったオババを亡くす。目に見えないほどの弱い星を宿していたため、寿命はそれほど長くはなかった。傷心しているハリルを嘲笑うかのように、自宅の近くで「防衛軍」の歓迎パレード開かれていた。「防衛軍」は、対「光喰」として「光力」の強い人々で構成されている。オババも「防衛軍」のように「光力」が強ければもっと長く一緒にいられたのに、とハリルは涙を流した。
パレードから帰ってきた人々が、興奮した様子で何やら話し込んでいる。近くにいた子どもに理由を聞くと、「防衛軍」の詰所がこの村に新設するとのことであった。亡くなったオババのことで自分勝手な僻みや妬みを抱いていることを自覚していたハリルは、ほとぼりが冷めるまでこの村を出ることに決めた。
荷造りが終わり、家を出、駅へと向かったハリルの前に、「防衛軍」所属の軍人が現れる。彼はリゲルと名乗り、「防衛軍」に入るよう告げる。逃げようとするも、背後から現れた男に気を取られ、気づくと意識を失っていた。
ハリルが目を覚ますと防衛軍専用の列車の中であり、先ほど背後から現れたベテルギウスと名乗る男性に軍の説明を受ける。ハリルの「光力」は高く、周りの人を守るためにも自身を守るためにも、軍に入るよう勧誘される。今まで村に「光喰」が来たことはなく、入隊必要はないと断ろうとした瞬間、列車内にサイレンが響き渡る。
サイレンはこの列車に「光喰」が近づいていることを示すものであった。ベテルギウスはハリルに「光喰」の恐ろしさを見せるといい、ハリルを列車から降ろす。同じく車両から降りたベテルギウス、リゲルの両名は、列車に近づいてきた「光喰」3体を危なげなく破壊する。この経験は、今まで「光喰」を見たことがないハリルがその恐ろしさと危険性を理解するのに十分すぎるものであった。
入隊を決意せざるを得なかったハリルは、ベテルギウス、リゲル両名が所属しているオリオン隊に仮所属することになる。翌々日、あいさつのためにオリオン隊隊員室の扉を開けるハリルは個性的な隊員に個性的に迎えられる。
本所属に向けて訓練を重ね、試験当日。ハリルは試験であることに気づく。