勉強は苦手、スポーツも苦手、何をしても冴えない、友達もいない。彼女もいない、高校生「伸人(のびと)」。
そのダメっぷりに、クラスメイトからは「のび太の孫」と言われている。
ある日、乗っている電車が事故にあい、伸人(のびと)は三途の川にとばされる。
そこで、とらえもんという猫型ロボットの迎え人に出会う。
君も聞いたことあるだろう?
死の淵をさまよった人が、お花畑で、おばあちゃんがこっちに来るなと言ってくれたおかげで生き返ることができた。
なんて話を。
僕たちは「迎え人」
三途の川で彷徨う魂を現世に引き戻す存在。
その正体は、君を一番愛している存在が具現化したものなのさ。
そして、その愛が強ければ強いほど。僕たちの力は強くなる。
―僕を愛している存在―
伸人(のびと)は物心ついたころから親がいなかった。親戚の家に預けられ、中学卒業後は家を追い出され一人暮らしとなった。
天涯孤独の身の僕を愛してくれているのはいったい誰なんだ。
その後、伸人(のびと)は「川下野 静子(かわしものしずこ)」という一人の少女に襲われる。
少女の迎え人はくまのプーさんのような恰好をしている。手には立派なボウガンを構え、容赦なく矢を打ちはなってくる。
とらえもん!た、助けて!!殺されるよー!
どどど、どうして僕襲われてるの!?
伸人(のびと)君、
実は、今日の電車の脱線事故であの世の手違いがあってね、一人多く死者を出してしまったんだ。
だから、一人だけ生き返る人を決めないといけないのだけど。けっこう人数がいるからね。
君たち、子供達だけ生き返るチャンスをもらえることとなったんだ。
そして、生き返るたった一人を決めるために、生き返りバトルロワイアルを行うことにしたんだ。
さあ伸人(のびと)君!僕たち「迎え人」の力を借りて、一緒に戦おう!
そんなぁ!とらえもん!そんなのやだよ!だいたい、僕、武器もないのに、戦えないよ!
大丈夫!そのために僕たち迎え人がいるのさ!と言うと、とらえもんは、お腹の1次元ポケットから武器を出す。
とらえもんから渡されたのは、最弱の武器、現世の人にオレオレ詐欺ができる「なりすましスマートフォン」だけであった。
伸人(のびと)は、「なりすましスマートフォン」を使い、静子の迎え人にオレオレ詐欺を行い、静子への愛を失くすことに成功する。
迎え人を失った静子は消えてしまった。
静子を倒してしまったことで苦悩する伸人だが、スマフォで現世のニュースを見ると、静子の魂が現世で生き返っていることを知る。
そのとき、なりすましスマートフォンに地獄の鬼から間違い電話がかかってくる。
電話に出た伸人(のびと)は、鬼になりすまし、話を聞くと、自分達は全員生き返るはずの魂だったことを知る。
そして、この戦いは鬼によって仕組まれたものであり、バトルロワイアルで残った一番強くて生きのいい魂を鬼が食べるために用意されたものだと知ったのだ。
全員の魂を救うためには、自分が勝ち残り、鬼を倒すしかない。
自分を愛して迎え人になっている人は誰なのか。主人公は最弱の武器で勝ち残ることができるのか。なぜ伸人は天涯孤独の身になったのか。戦いを進めるにつれて、謎があきらかになっていく。