君との想い出が風に乗って消えても

作者朝陽 七彩

 草野優は、花や草や木を愛する中学二年生。

 5月、優がいるクラスに一人の女の子が転校してきた。
 その女の子の名前は、花咲加恋。
 加恋は転校初日、優に意味深なことを言って……。

「今年もきれいに咲いてくれてありがとう」



僕がよく来る秘密の場所に咲いているきれいな一輪の花。



花の名前はわからないけれど、

僕は年に一度、

数日咲いてくれるその花を見て癒されるし元気になれる。



……でも……なぜだろう……。

今年からなぜかこの一輪の花を見ると切ない気持ちにもなるんだ……。



どうしてだろう……どうしてこんなにも……。



どうしてこんなにも涙が出てくるのだろう……。



……辛いよ……。



苦しいよ……。



僕は、どうしてしまったのだろう……。



……なにかが……。



なにかが引っかかる……。



でも何が……?



思い出せない……。



思い出せないんだ……。



僕は……。



僕は……何かを……。



僕は大切な何かを……。








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草野 優


花や草や木を愛する中学二年生



花咲加恋


優がいるクラスに転校してくる


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