もしもの話が嫌いな君は、

作者須坂コウ

もしもの話が嫌いな君は、もしもの話をする度に、呆れ顔で。
でもね、ちゃんと聞いていて。
お願い、ちゃんと覚えていて。
君の嫌いなもしもの話を、どうかずっと忘れないで。

「ねぇ、シナ。もしも、もしもさ」



ifの話をする私に、君はいつも呆れ顔で



「ねぇ、シナ。もしも、もしもね」



退屈そうに聞いていた。







ねぇ、シナ。


もしも、もしも……





「私が明日いなくなったら、どうする?」






「そしたら俺は、**********」




そう言った君はやっぱり呆れ顔で。



君が好きだと、心が泣いた。