「あんまり俺に近づかないでくれよ。
馬鹿が移ると迷惑だから」
頭脳明晰、眉目秀麗、才色兼備な橘春都は、
悪魔に心を売ったんだ。
「俺のこと好きとか言うなよ。迷惑だ」
「お前といると疲れるんだよ」
「お前の幻想に付き合ってやる理由はない」
1年間、ひっそり片思いしていた彼は、
ひどく冷たい冷血人間でした。
そのくせ、時折私を惑わして、離さない。
「お前にしては頑張ったじゃん」
「で、俺のこと好きなのやめるの?」
「お前は馬鹿みたいに俺だけ見てればいいんだよ」
上げられたり、下げられたり、
私の感情は大忙し。
こんなんじゃ、心臓も疲れて早死にしちゃうに決まってる!!
「俺を倒す?ふーん。やってみなよ、由那」
「なっ、急に呼び捨てとか………くっ」
また、私ばかりドキドキさせられて。
あぁ、これはどうやら間違いなく。
キミを倒すにはHPが足りてない。
*
天才冷血王子 × お馬鹿で愚直なお姫様
*
「俺が好きって言えよ、由那」
「…………っ!!」
*表紙画像はヨシナガ様より頂戴しました*
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