今日から、好きな人の彼女になるために、彼を嫌っているという演技をしようと思います。【完】

作者真弥

同僚の春織 優斗は社内でも有名なイケメンモテ男子。何故か、彼女を作らない彼に今日も水面下では女子社員達の彼女の座争奪戦は繰り広げられている。
そんな彼に少なからず想いを寄せる氷川 雪佳は、ある時偶然彼の本音を知ってしまう。
これを切っ掛けに少しでも彼に近づきたい。そんな気持ちから雪佳はある行動に出…



『悪いけど、俺誰とも付き合う気ないから』



 入社直後から、その容姿に惹かれて告白してくる女子社員をことごとく振り払う

春織はるおり優斗ゆうと



『俺を嫌いなヤツとなら付き合えるかもな』

『嫌いなヤツと付き合うなんて、付き合う意味があるのか?』



 同僚との会話を偶然聞いてしまった、見た目クール系女子、氷川ひかわ雪佳せつかは考えた。



 嫌いなヤツとなら付き合えるっていうのなら、私が彼を嫌ってるってことを示せばいいんだ!



 その日から雪佳の春織嫌ってますアピールが始まった。


 片想いしている相手を嫌ってますアピール。


 それは思ったよりも切なくて、苦しくて、辛い日々の始まりだった……。