事故で記憶を失ったリティシアは深い森の奥で恋人であるレンバートと二人、ひっそりと暮らしていた。騎士団長という高貴な身分を捨て記憶のない自分に尽くしてくれるレンバートとの生活は幸福だったが、時折違和感を感じた。忘れてしまってはいけないことを忘れてしまった、いつもそんな気がしてならなかった。