「あー
 いい匂い」

 それは、温かいホットミルクの匂いに釣られて幼馴染の萌ちゃんが静かに言った言葉だった。
 その場にいたみんなが驚いた。
 なぜなら萌ちゃんはもう目を覚まさないと思ったからだ。
 そんな私たちの不安なんてお構いなしにいつものマイペースでこう言葉を続けた。

「私、いちごみるく…