君から貰ったものは愛と許しと優しさ。
俺が君に送るものは夢の中の君への返事。
高校三年生だった君が大人びた目で背伸びしたあの日は夢の途中だった。

「今ね、夢を見ているみたいなの」


 その時の俺は彼女の言葉を全く意味のなさない寝言のようなものだと笑って受け流した。


 今ならわかるよ?


 君は真実を語っていたのだということも。


 俺を見つめて泣いた意味も。


 だから早く目覚めて、俺の名前をもう一度呼んで。