プログラムアリスと友達ウサギ

作者小鳥遊 雛人

燃ゆるように色づいた木々が並ぶ、
学園までの通学路。秋の並木道。

高校2年生、卯月 有栖は
スマホ片手に1人で並木道を渡る。
画面に映った少女の碧眼が
忙しなく動いて情報を拾う。

高校1年生、兎田 友樹は
友人に囲まれて並木道を渡る。
はっきりとした少年の黒眼が
たくさんの友の視線と交差する。…

学園へと続く秋の並木道。

色づいた木々、紅や黄や橙。

舞い落ちる葉っぱ、道に広がる紅葉は

まるで散らばったトランプのよう。


様々な生徒が行き交う通学路。

正反対の2人が並ぶ。


…機械はよいものだ。

人間と違って嘘をつかない。

嘘つきとは仲良くなれない。


…友達はよいものだ。

友達はみんな明るい空気をくれる。

独りの寂しさを埋められる。


1つのとある嘘が2人を惹き合い、

じれじれとゆっくりと近づいていく。


これはそんな、おとぎ話のような恋物語。

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