あたしはあたしの目の前に居てくれる普通のゆうちゃんが大好きだった。でもゆうちゃんは、どんどん手の届かない人になっていってしまうから。あたしも『一生サヨナラが来ない世界』に行ってしまいたい。人気の歌い手『ゆうちゃん』との微妙な関係を描いた短編小説です。
「なんであたしのところに来るの。」
「だって可愛いんだもん。」
ゆうちゃんの喉から吐き出されたウィスパーボイスが耳から入り込み脳を侵食していく。
ずるい
ゆうちゃんのたった一言で大事な何かが解けて行ってしまう。
ゆうちゃんは、ずるいよ。