桐光音楽大学に通いプロのピアニストを目指す花咲(はなさき) 響子は優秀だがコンクールで優勝できずにいる。また、父親の経営するレストランが経営難となり響子は大学中退の危機になる。２ヶ月後に開催される「JAPAN音楽コンクール」に出場し賞金と音楽活動支援を狙うしか道はない。入賞のため練習に励むが、音楽を続ける意味を見失い、精神的に追い詰められていた響子。
ある朝目覚めると、飼い猫のウィルソンと入れ替わっていた。花音に入れ替わった猫ウィルソンは指の記憶からピアノは弾ける。コンクール優勝を目指し、響子になったウィルソンにピアノの特訓をする。緊張症克服もかねてストリートピアノで演奏を始めた２人。猫が曲に合わせて尻尾を振り、猫と奏でるピアニストとしてSNSで評判になる。人に聴いてもらう喜び、音楽の楽しさを思い出す響子。そして、いよいよコンクール予選を迎えるが…。
好きな事を続けるという才能と葛藤、友人やライバルの嫉妬、音楽を奏でる意味、猫の目から見た人間世界の矛盾…。現代を懸命に生き、何かを追い求め努力を続ける若者へ贈る、心暖まる感動の音楽ファンタジー。
