『私は強い子、元気な子』三島響子は寝る前、いつも自分におまじないをかけていた。そうしないと、自分の心が折れてしまいそうだったから――。彼女には、ひとの心の色が見えるという特性があった。嘘も愛想笑いも全部透けて見えてしまう。そんな境遇で自分を保つためのおまじない。しかし、ある日父親が失業…もっと見る