辞世を綴るゴーストライター

作者緒方あきら

病院の前で辞世の句を綴る店を営む少女と、少年のひと夏の出会い。

 その奇妙な店を見つけたのは、ばあちゃんが入院している病院を訪れたときだった。
『辞世の句、承ります』
 あまりの暑さに、僕は幻を見たのだろうか。
 初夏の日差しは容赦なく僕とアスファルトを焼きつける。病院の木陰で熱々になったアスフ…