ふたりは欠陥人間

ストーリー概要および物語の設定

　ある日、世話になっているヤクザ・堂園から呼び出された殺し屋・レイは、事務所に顔を出す。そこには見知らぬオッドアイの青年が居た。堂園は言う、「お前にそいつを飼って貰う」と。

　青年は記憶を喪っていた。行く宛てのない青年は、レイに恐怖を覚えながらも、彼との生活を余儀なくされる。

　レイは人間らしい感情を持たない、ロボットのような男だった。「感情」のない殺し屋と、「記憶」のない青年の２人きりの生活は存外悪くなかった。彼らは少しずつ心を通わせていく。「名前が欲しい」と言う青年に、レイは「ゼロ」という名前を与えた。自分と同じ意味を持つ名前を。

　ゼロがレイに気を許し始めた頃、ゼロはレイが人を殺す様を目撃する。人殺しのストレスで嘔吐するレイの「弱さ」を知ったゼロは、自分が生きていく為ではなく、レイを支える為に傍に居たいと願うようになる。

　これは欠けた部分を埋め合うように生きる２人の、暗くて温かい物語。