▶ストーリー概要および物語の設定


 中学3年生の春、工藤晴臣は新谷和希に出会う。


 大人しくて地味、何の特徴もない工藤と、いつも明るく笑顔で心配事なんてなさそうな和希。同じ教室にいても特に接点のない二人。

ある日の放課後、工藤は大人の男と密会する和希を目撃する。それをキッカケに言葉を交わすようになった二人は、徐々にお互いの抱える事情や秘密に触れて行く。


 秘密を共有した工藤と和希は、次第にお互いを救いたいと思い始める―。


 和希が工藤の家を訪れた日、偶然帰宅した工藤の母・千香と言い争いとなった二人は、雨の中、部屋を飛び出す。和希を気遣いながらも途方に暮れる工藤に、和希は「ウチ来る?」と持ち掛ける。

 和希の”今の家族”森川家に受け入れられた工藤。だが、夏が過ぎ、進路の決断が迫る中、工藤は母親との関係に苦悩する。


 そんな矢先、和希の秘密の元凶であり、2年前に失踪した父・高市が工藤と和希の前に現れる。高市の出現に酷く動揺する和希。和希の様子を心配する工藤は、和希が笑顔の下に隠していた秘密の底を知る―。