ストーリー概要および物語の設定



香りは昔、武器だった。そう語った母は、「香り」を操る力を持っていた。娘のエナも、十五になれば同じ力に目覚めるという。心待ちにしていた矢先、母は突然姿を消した。母のいないショックも合わさり、誕生日に力が暴走。瀕死状態となるエナ。彼女を助けたのは、エナたちが営む宿屋を訪ねた、青年ユニスだった。


彼は同じ力を持つ「操香師」だと告げる。未知の力を教えてくれるユニスに、心を開いていくエナ。操香師であれば、想いを香りにして、他人と共有することもできるという。エナの訓練がてら、お互いに香りを交換し合い、距離を縮めていく二人。だが、迎えたユニスの滞在最終日、彼を狙う敵の襲来に合う。


手にした小瓶を鞘に、操る香りを剣に変えたユニス。香りの力を宿した大剣で敵を蹂躙。想いを通わせるのではなく、相手の命を奪うために使われた力。「香りは昔、武器だった」母の言葉を思い出し、操香師の持つ対極の力を痛感するエナ。彼女の辿る運命は、花の香りか、鉄の香りか。香りは、想い。香りは、命。蓋を開けて。あなたが望めば、どこにでもいける。自分の気持ちに蓋をしている全ての人へ。心寄り添い、胸締め付ける。恋愛と戦いのファンタジー。